エフェクター回路の蘊蓄(うんちく)

エレキギターは弾けないが、その音は好き

BOSS / OD-1 その2

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BOSS OD-1 Schematic

BOSS OD-1の解説の続き。

初段はエミッタフォロアだが、バイアス回路も示されている(下図)。

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初段

R6とR17が同じ抵抗値で電源とGNDを接続しているので、その間は中間電圧、つまり4.5Vになっている。バッテリ駆動の片電源回路(下が0V(GND)、上が9V)では、4.5Vを中心にするのが最も妥当なので、この電圧を作る必要があり、これをバイアスと呼んだりする。

C9はなるべくこの中間電位が安定になるようにするコンデンサだが、小さいと安定度が低く大きいとバイアス電圧までなかなか到達しない。この定数だとだいたい3秒くらいかかる。エフェクターとしてはこの程度は許容可能だろう。

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Bias

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V(bias)

初段のC1より左が0V(GND)を中心に振れるし、右が4.5Vを中心に振れることになる。こういうDCをカットするコンデンサは大きければ大きいほど低い周波数を通すが、実は音が悪くなる(と言われている)。容量が小さいほど高品質のコンデンサになりやすい(マイラーコンデンサとかフィルムコンデンサとかいう)。

ちなみに、この回路の場合は、初段HPFのカットオフ(-3dB)は7Hzくらい。20Hz以下はどうせ聞こえないので、7Hzくらいで十分すぎる。

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初段

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v(b)

今日はここまで。