エフェクター回路の蘊蓄(うんちく)

エレキギターは弾けないが、その音は好き

Guild / Foxey Lady (2-Knob) その4

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Foxy Lady Schematic (LTSpice)

Foxey Ladyを実際に上図の定数で組んでみた。トランジスタは手持ちの「2SC1815BL」(単価10円)だ。オリジナル?は「2N5133」だが、トランジスタの違いによる音質?の違いを識別できる耳があるわけでもないし、オリジナルの音を知っているわけでもないから、基本的にどんなトランジスタ(NPNタイプの小信号用)でもいいだろう。

また、よく「コンデンサ、抵抗やハンダを音響用の高級品に変えると音がよくなる」いたいな話があるが、一部の極端に耳がイイ人だけが対象なんだろうと思う。

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Foxey Lady Mod

何度も書くけど、基本的にエフェクター回路の周波数特性とか正弦波波形とかはどんな音がするのかにはほとんど関係ないが、回路の動作確認という意味で、測定してみた。

まずは、Fuzzボリューム最小、つまり初段出力は以下の通り。

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Fuzz LOW

解析結果もまぁ似てる。

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Fuzz LOW (LTSpice)

Fuzzボリューム最大ではこんな波形。

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Fuzz High

解析結果はこれ。

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Fuzz High (LTSpice)

ん?似て、るのか? 中間的なブレンド結果は下図のようになる。

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Fuzz Midium

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Fuzz Midium (LTSpice)

まぁこんなもんんか。いずれにしても極端な波形変化があることは間違いない。実際にギターで確認してみると、なんとも派手な音がする。なかなかいいぞ。やっぱ歪み系は楽しいな。

ちなみにオペアンプで巨大増幅させるとノイズが目立つが、トランジスタのエミッタ接地回路では、なぜかそんなにノイズが気にならない、というかヘッドフォンで識別できないほどノイズが少ない。なぜだろうか。

いずれにしても、基板でチェックするだけでなく、ちゃんんと箱に収めても良いくらい派手で楽しい音がする。

さて、これを改造するとするとどこに手を付けるべきか難しい。初段の入力インピーダンスの低さはあまり気にならない、というかもしかしたらこの回路の「味」につながっている可能性があるので変更しにくい。改善点を強いて言えば、出力インピーダンスが高いことか。ボリュームの後にバッファアンプを入れるべきかもしれない。後流が(古い)ボリュームペダルだったりすると、出音が大きく変わる可能性がある。

Foxey Ladyはここまでで、次回は別のFuzzである「Big Muff Pi」をみてみよう。